2013/04/09

観劇の夜。

本日はずっとファンでいる方々の舞台を観に三軒茶屋までいってきた。
ここ数年いそがしさにかまけて見にいけずにいたのだが、やはり現場で見る芝居は素晴らしい。
こういう空気感、雰囲気がある以上、舞台芸術は人々に支持されて生きてゆくのだなあと感慨深い気持ちになった。
音楽人である自分も舞台での演奏は大事にしてるので嬉しかった。

今回は新しいことに挑戦しておられたその方々。
幕間がなく、ずーっと長いひとつの芝居になっていた。
こういうスタイルでの上演ははじめてだったので新鮮であったし、なによりも見応えが凄かった。
まさに息をつく暇もないという感じで、見事に世界観に吸い込まれて行った。
やはり人から見てすぐにわかる「新しい試み」「チャレンジ精神」は大切だなと思った。
それをきっかけにして僕は今日のめりこむことができた。
自分の今の活動にもそういった新鮮さやチャレンジをもっと取り入れなくてはならないと強く思って帰ってきた。

もう一点、今回の劇は不勉強な僕にも楽しむことができた。
以前の劇中には必ずテレビ番組やコマーシャルのパロディが入っていた。
我が家からテレビが姿を消して7年、僕は「一笑」につながるであろう原点の情報を摂取することができず、舞台で繰り広げられるものに反応できずに歯痒い思いをしてきた。
簡単にいえば笑うことができなかった。
その世界から僕が勝手に離脱したのだから仕方のないことだ。
しかし、今回はそういう題材は皆無で、代わりにネットやデバイスを題材にする場面が少し見られた。
脚本を書く人々の感覚も、演者の感覚も変化し、ネット中心型社会にいよいよなってきたのかもしれないと思った。
僕にとっては嬉しいことであったし、時代の流れとして当然なのかもしれない。
そのおかげで「笑」がシンプルで普遍的なものに戻ったことで、クラシカルで由緒正しい姿に見えた。
とても素晴らしく、誇らしい感じがした。

演劇も、作品も、時代を映す鏡になっている。
自分も次の時代に生きていけるよう、この出来事を踏まえて前に進みたい。