人生の岐路。
大仰な言葉だが人は何回かこの分かれ道に出会う。
大抵はがむしゃらに一本道を突き進んでゆくうちに、
「ああ、あれが人生の岐路だったのかもしれないな」
と振り返って感じるものかもしれない。
でも今回僕がさしかかった岐路はハッキリと、
「ここが分かれ道です。選択しなさい」
と迫ってくるものであった。
ほんとうに驚くほど不意に、なんの心の準備もないままに岐路はやってくるものか。
それから今にいたるまで自分の心や環境について考察し葛藤している。
通り過ぎる前に見えてしまう岐路との出会いはなかなかのものである。
ずーっと胃が痛い日々だ。
僕が見ている岐路、みちはふたつ。
これまできた道の続きを歩き、ゆっくりと楽しく音楽をやってゆく道。
これまでの道を外れ、自分にしか歩けない音楽の荒野を一人ゆく道。
後者の道は険しく困難な旅路だけれど、自分しかゆく人がいないと思えるフロンティアだ。
その道をゆくには苦痛をともなって今の環境や価値観も変えねばならない。
ほんとうに困難な道のりだと思う。
だから迷い、悩んでいる。
おおよそ自分の心は決まり、ようやくこの気持ちを文章にできた。
僕より遅れてこの道を歩いてくるであろう弟子たちに進言しておきたい。
目に見える岐路はやっかいだ。
それを乗り越える力は自分自身の考える力だと僕は思う。
つぎは実行力。
自分自身の選択を自分の責任において実行すること。
そして結果を受け入れることかな。
後悔しないこと。
目に見える岐路はやっかいだ。