「謙虚さは、ほとんどの場合ほのかな卑屈さとして表出し、その人の人格を縮小させるだけである」
誰の格言でもないがことあるごとにこの言葉は真実だなあと実感する。
先日のライブを観覧しているときも演奏者の心の持ちようが音楽を説得力のあるものにするのかしないのかを分けていると感じた。
その分岐のポイントは”謙虚さ”にあると思う。
普段から謙虚さをまとっていることは本当は自信のなさの表れかもしれない。
それを謙虚であると取り違えて理解することで自分を肯定する事ができる。
自分の心に”自信”をあたえてあげるのは難しいことだ。
比較論で自信を得ようとしても上には上がいるし何かに限定しなければきりがない。
だから人は謙虚でいると同時に卑屈になってしまうのかもしれない。
本当の謙虚さとは自信にみちあふれた人格の中にある飽くなき探究心ではないだろうか。
ここまでのことができているのに褒めると「まだまだです」と謙遜する姿、その中にみえる自負の心、つまりは誇り。
自信有る人にしかほんとうの謙虚は宿らないのかもしれない。
自分にとっても課題ではあるけれど、弟子達にもまずは”自信”に満ちあふれてほしい。
その上で謙虚さを身につけて音楽を奏でてくれたら、きっと今の何倍も素晴らしい人生が花開くのではないだろうか。