2013/06/25

ハリウッドの中心に一番近い男。

X-Men ファーストジェネレーションという映画でひさしぶりにケビン ベーコンを見た。
最後にお目にかかったのはアポロ13で、その前は花嫁のパパでタクシーを奪い合うシーンと、トレマーズで怪物と戦う彼だった。
それまで僕の中で心に残ることはなかったのだが、今回の演技を見てその考えは間違っていたことに気がつかされた。
この人はどんな荒唐無稽なシーンもリアルにしてしまうという稀有な才能を持った天才なんだと。

X-Menではケビン ベーコンの存在感に僕は釘付けになった。
この人以外の俳優さんではこの脚本は成り立たなかったのではないかとさえ思った。
特に派手に何かする訳ではなく、むしろ自然体そのものだったように思う。
でもだからこそ無理のあるお話でもリアルに見えてちょっと安心する。
一番の悪役に安心感をもらう映画なんてそうそうあるもんじゃないだろうけど、ケビン ベーコンがストーリーテリングの中心にいた。
彼の出演シーンがくるたび恐怖よりもホッとした。

X-Menでそう感じたあとに脳内で反芻して彼の過去の映画を思い出す。
彼はずっとそうだった。
地中を高速で動くお化けミミズに追い回され、岩場を逃げ回っていても懐疑心やツッコミの精神に苛まれることなくすんなり鑑賞していたなあと。
あの映画がカート ラッセル主演だったらきっと関西弁で突っ込んでしまったかもしれない。
アポロ13も最後のクルーがケビンであったからこそリアルに感じていたのかもしれない。
ハンクスの相棒がロビン ウィリアムスだったらリアルよりもSNLに見えるだろう。

ベーコン指数とは伊達ではない。
本当の意味でもハリウッドの中心に一番近い男、ケビン ベーコン。
恐るべし!