2013/06/18

スカイフォール、すごかった。

この静養期間中にダニエル クレイグ主演による007作品を一気に観た。
前主役のピアース ブロスナンのボンドイメージが好きだったので意図的に鑑賞を避けていたのだが、それを後悔するほどスカイフォールは素晴らしい映画だった。

ダニエル クレイグのボンドのテーマはきっと「リアリティ」なのではないかと思う。
これまでのボンド作品にあったファンタジー要素はスカイフォールに至っては微塵も感じない。
銃弾も当たるし、女性と手をつないで逃げたりしない。
「カジノ ロワイヤル」「慰めの報酬」とその方向性へ向けて迷走した感があったが、サム メンデスというすごい監督と出会ってスカイフォールで一気にリアリティが開花した。
この一本のためにダニエル クレイグのここまでがあったと言えるほどスカイフォールは凄かった。
僕自身が感動したポイントをネタバレしない程度に時系列で紹介したい。

・オープニング
これまでのボンド映画をオマージュしながらも勿体つける訳でなくズバッと表現していたことに感動。逆光のシルエットも素敵。
・冒頭のアクションシーン
イントロのような短いものでなく、長大なアクションが冒頭から始まる。ストーリーに一気に引きずりこまれた。
・タイトルムービー
冒頭のアクションの延長戦からファンタジックな世界観へ違和感なく繋がる。タイトルでる瞬間の映像が美しい。
・ビル狙撃シーン
街のネオンが部屋の鏡に映り込んで息を飲む美しさ。セリフもなく映像美が堪能できる「間」を視聴者に与えてくれる。
・カジノ到着シーン
小舟に揺られタキシードの立ち姿で美しいゲートをくぐるボンド。感動的な映像美と音楽に感動。
・悪役登場シーン
カメラ定点の長回しシーン。自分もそこに居合わせたような錯覚に陥り恐怖する。ハビエル バルデムの長セリフ演技に釘付けになり感動。
・セリフ
すべての登場人物のセリフがポエットのように美しく、心に刺さる。多くの示唆に富んでいて気づきを与えられた。愛と憎悪の関係性、未知なる恐怖、闘争と信念。

エンターテイメント性とメッセージ性を相反することなく見事に融和させているサム メンデスという監督に脱帽しました。
次回作も同監督作品になるとのこと!
いまから楽しみです。