そこにメロディのトラックをオーバーダブする。
伴奏のグルーヴや揺らぎを一番認識することができ、
もっとも伴奏トラックにぴったりしたメロディを弾くことができる相棒、
それは自分自身に他ならない。
完璧に理解し、一致したリズムで演奏されるメロディ。
さぞかしクオリティ高い作品になるだろうと予想する。
でもやってみるとそうはならない。
確かに一致してるけど、なんというか奥行きがない。
ピッタリはまりすぎてメロディも伴奏も融合してひとつのレイヤーになってしまう。
そこで相棒頼んで録音してもらう。
すると何故だか良い。
自分が思うリズムの感じ方とは違うから一致しない場所も出てくる。
でもそれがかえって溶け合わないことでレイヤー感を生み出し、
楽曲にふたつの聴きどころを生み出している。
結果、音源は深みを増して何回聞いても面白くなる。
不思議だけどこれは僕らAcousphereが感じている真実だ。
作品をつくる時、ぜひ仲間と一緒に作ってみてほしい。
ひとつの音源にたくさんの人の感性を放り込んでみてほしい。
完璧なシンクロよりも素晴らしい価値観がそこにあることに気づくはずだ。
オーガニックでナチュラルな人間本来の響きはそこから生まれると思う。