2011/12/19

出会いと別れ。そしてまた出会う事。

インターネットでいろんな楽器を探し回るのが好きです。
今日は自分にとって懐かしい楽器を久しぶりにみつけました。
それは「Chapman Stick」という楽器。
ギターのように弾くのではなく、弦を指先で叩いて演奏するためにデザインされた次世代の楽器です。
この楽器に出会ったのは僕の場合はキング クリムゾンではなくピーター ガブリエルのライブ映像でした。
まあどちらのベーシストもトニー レビンなんで同一人物ですが。(笑顔)

バークリー音楽院留学中にボストンの楽器店で発見し購入。
しばしこの楽器に魅了されベースのアンサンブルのクラスなどにChapman Stickで参加してました。
この楽器のおかげでずいぶん友達増えたなあ。
みんな話しかけてきますからね。

その後日本に戻ってからも友人のバンドをこの楽器でサポートしたりしました。
プロ活動直前の頃でしたね。26歳くらいだったかなあ。
ちょうどハーフトーンにお世話になるちょっと前ですね。
その後スタジオ ミュージシャンの仕事をはじめてギター専業に復帰。
だってStick弾いてほしいなんて依頼はなかったからね。
まあ当たり前か!

でもってそのあとAcousphereを結成しスタジオワークを卒業しアーティストワークへ。
2003年に某メジャーレーベルからお誘いをうけてデビューCDの制作に突入。
そのときはすべての仕事をやめてレコーディングに1年集中しました。
No Income時代ですね。あれはきつかったし不安だったなあ。
でも納期に間に合わせるにはそれしかなかったからね。
勇気ある決断だったと思います。

そのときスタジオミュージシャンとして活動していたときに使っていた数々の楽器を処分して生活費にしました。
オベーション、フェンダーのアコギ、数々のエフェクター、アンプ、10本近く処分しましたね。
その中に僕の宝物だったChapman Stickもあったのでした。
売らなくちゃ生活できないし、夢を叶える途中でしたから悔しかったけれど手放しました。
今でも覚えています、シリアルナンバーは390。
いまは誰かが弾いているんだろうなあ。

あの時、いつか音楽家として生活できるようになったら絶対買い戻すって誓ったんでしたね。
いやあすっかり忘れていました。君の顔をみるまでは。ごめんよStick!
いまはきっと背伸びして頑張れば買い戻せるだろうけど、でもまだ迎えにゆけるほどの自分ではないように思う。
もう少しですね。何か大きな手応えをつかんでから。
そうしたらまたChapman Stickを演奏する気持ちになれるかもね。

出会うこと。別れること。
その繰り返しが多いほど人は大人になれるのかもしれないですね。
Thank you chapman stick !