2019/04/26

レコーディングにおける楽器単位でのシグナル管理についての考察。

今日は高木くんのメロディ録音。

いくつか気がついたことを書き留めて弟子たちとの情報共有とする。

コストの面では難しいかもしれないがやはり「ひとつの楽器に対してひとつの補正された音色」を自己機材にてプロデュースするべきかもしれない。

今日の音素材はライン録音でのウクレレだったけれど、録音を進める中で「リバーブかかってる状態の音色で演奏したほうがニュアンスが出しやすいのではないか?」と思える場所が何度もあった。

演奏者も音色やエフェクトに助けられ、それを前提とした演奏をすることで表現力が増すだろうし、またリスナーである自分も音源の完成形を意識しやすくなることで正しくより良い判断が下せるようになると思う。

これまでの録音スタイルはあくまでも「素材どり」であり原音を忠実に残すということに重点を置いてきた。

そのおかげで後からいくらでもエフェクト処理をすることができて自由自在にトラックに色付けすることができた。

そういうメリットも多くある手法だけれどそのアドバンテージをなくしても音色を先に完成させ、それを前提にプレイしたほうが良いのではないかと考え、提唱したい。


しかしながら楽器シグナルのフローをどうするかが問題だ。

音色を作り込むとなれば大量のアウトボードが必要になる。

マイクプリアンプにギターと正しいインピーダンスで接続するためのダイレクトボックス、音色補正のためのイコライザーにダイナミクスコントロールのためのコンプレッサー。

その上エフェクト処理のためにマルチエフェクターも必要になり、それを形にすると小ぶりな冷蔵庫ぐらいのラックシステムが完成する。

価格も50~100万くらいになるのではないかと予想する。

果たしてライブやレコーディングのためにそこまでするべきか?

そこまでやったらもはや自分のスタジオを持ち歩いているのと何ら変わりはないだろう。

ほぼ同じことがLogicをつかってDAW上で構築することができるがA/D,D/Aによるデジタル感とレイテンシーの問題に目をつぶればという前提条件はある。


今現在この問題に気づいたもののどちらのソリューションが良いのかは判断しかねる自分がいる。

クオリティと機動力が反比例する問題なので多分折衷案みたいなものが良いのだろう。

DIとマイクプリはアウトボード使用して残りは全部インターフェースを介してLogicで処理、というのが一番バランス取れているように思う。

今日レコーディング一緒にやった黒崎くん高木くんも自分たちで考察してみてほしい。