今日のギターレッスンではTuck&PattiさんバージョンのTime After Time伴奏を教えていました。
Tuck Andressさんの提唱する「One Man Rhythm Section」というギター伴奏スタイルを学ぶ上でこの曲のアレンジはアイデアの宝庫。
それらのアイデアが非常にシンプルに現れるので練習もしやすい、言うなれば「最初の一歩」の楽曲。
丁寧に教えることができて非常に楽しいサブジェクトです。
今日の中で伝えられたアイデアは以下のような感じです。
・押さえるのに指が足らなくなってしまっても、うまく使い回すことで望みの音を得ることができる。(CコードのSus4の音を弾くときの中指のスライドの部分)
・コードは必ずしもルートが一番下の音になっている必要はない。ハーモニーに厚みがあれば気にならなくなる。5度の音が最低音になるコードは使いやすい。(BパートのふたつめのGmajコードのアレンジより)
・コードフォームを押さえ切ってしまってから分散和音で演奏してもメロディアスには聞こえない。むしろメロディを弾きながら前に弾いた音をキープすることでメロディがいつのまにかコード化されてゆく方法論の方がメロディアスに聞こえる。(BパートのGmajの部分から)
言葉にしてまとめるとシンプルで当たり前の事のように思える文章ですが、意外とこれらのコンセプトに忠実な演奏をしているプレイヤーは少ないのです。
Tuckさんのコンセプトは知れば知るほど奥が深いと同時に、我らに「もう一度はじめからギターを見つめ直し、再定義しなさい」と語りかけているように思います。
その道の歩み方によって「エリート」になるのか「ジーニアス」になるのかが別れてくるように思えています。
いずれの道もマエストロへの階段なので善悪はないのですが、僕はできればTuck Andressさんが辿った道を歩き続け、その先にあるものを見たいと思うのです。
まだまだ学び続け、再定義を繰り返してゆきたいと思います。