2012/06/30

師匠と弟子という関係性。

弟子たちの進歩がめざましい。
ギターの演奏スキルだけではなく、情報収集力、分析力、コミュニケーション能力とすべてにおいて飛躍してきた。
この変化を生み出したのは「関係性の変化」だと思う。

これまでは「先生と生徒」という関係性だった。
音楽を教え、生き方を説いてきた。
もちろん指導において相当の実績をあげてきた。
めざましく進歩した部分も多数ある。
しかしながら「激励」はできても「叱咤」をすることはできてこなかった。
それが「先生と生徒」という関係性の限界点であると常々感じていた。

大きな進歩を生み出しはじめたのは関係性を「師匠と弟子」に改めた事によると思う。
側で自分の仕事ぶりを見守らせ、時に手伝わせたり一緒に体験したりする環境ができた。
そしてミスを犯せば容赦なく叱ることもするようになった。
無論、相手の尊厳を奪わない美しい言葉においての叱咤激励の範囲ではあるが、それでも情報の伝達に一種の「凄み」が生まれてきた。
本質的には同じ指導や情報であっても「凄み」があることで心に突き刺さるようになった。
体験と重ねてその情報を感動と共に記憶することで同じミスをおかさないコミュニティが生まれ、更にレベルの高い部分での議論や体験を共有できるようになった。
人材を真に育成するのであれば「現場主義」と「高い温度の情報伝達」が必要になるんだと思う。

これからくる時代をより良いものにしてゆくために大切なのは人材というソフトウェアを育成することだと思う。
日本には聡明で素晴らしい若者がたくさんいる。
先輩として彼らに全ての真実の情報を開示し、共有してゆくことで自分を凌駕する人材を育てること。
そして新進気鋭の才能に後れをとらないように自分を練磨し学び続けること。
それが「師匠と弟子」という関係性なのではないだろうか。